お知らせ

NEWS

  • TOPICS
  • 重要

医療検査学科と看護学科の合同IPW演習

8月上旬に医療検査学科と看護学科との合同「IPW演習」を行いました。4年次選択科目で参加学生数は44名(医療検査学科:17名、看護学科:27名)。7つのグループに分かれ、糖尿病症例と災害事例の2つの課題から1つを選択し、取り組みました。

この過程で私が驚いたのは各グループの手際のよさです。各グループで自然に話し合いが始まり、作業が流れ、ディスカッションに入っていきました。ある学生のレポートには「大学1年生時のまなぶる以来に他学科と接した瞬間でしたが以前よりも積極性が増したところと、お互いの専門知識をフル活用できたところに自分たちの成長を感じることができました」とありました。確かにどのグループも話し合おうとする姿勢が整っており、これは1年次の「まなぶる▶ときわびと」の成果が出ていると素直に感じました。

学生は他学科の学生とディスカッションすることによって両学科の考え方の違いを感じ、新たな見方を学んだと思います。この点についてある検査の学生は「今までの授業で医療検査学科の学生同士で症例について考えたことはありましたが、今回のような他学科の方と症例について考えたのは初めてだったので、他学科の方の視点というのを学び、意見を交換することができ、お互いの成長にも繋がったと思います。」と述べ、一方ある看護学科の学生は「看護学科の学生同士で話し合う際は価値観や視点が近く、意見の方向性が似ていることが多い。しかし、今回の医療検査学科との合同演習では看護職だけでは思いつかない具体的な患者の生活や治療の質の向上に直結する提案があった。このような視点は、看護学科のみの場では得られないものであった。」と述べ、どちらの学生も他学科の学生とディスカッションすることの重要性を再認識したように思いました。そして学生たちには互いの専門性を理解するとともにリスペクトする姿勢もありました。そのことは自分の専門性をリスペクトすることにも繋がり、学生たちの自己効力感を高める良い機会にもなったと思います。自分及び他分野の専門性をリスペクトできれば、IPWの作業はスムーズで各グループとも課題に対して立派な発表をしてくれました。

ある学生は「この演習を通して、自分の分野に誇りを持ちつつも,他職種への理解を深め、チームの一員としてどう貢献できるかを常に考える視点を持つことの大切さを学んだ」と述べ、また他の学生は「今回のIPW演習で学んだことは将来医療現場において必ず生かせる貴重なものであり、異なる職種が互いの視点を尊重し補いあうことが患者さんにとって質の良い医療を実現することにつながると強く感じた」と述べています。まさに100点満点の答えです。

今回6人の教官で担当しましたが、学生たちはほとんど自分たちだけで課題について調べ、ディスカッションし、発表までこぎつけました。私は彼らの立派な姿に感心すると同時に、本学の1年生から始まるチームビルディングを重視した教育が結実した1つの成果だと思いました。そして現在の医療・介護の現場で最も重要なIPWの考え方を学ぶ過程において本学の「まなぶる▶ときわびと」から始まり「IPW演習」で終わる過程はIPW教育の1つのモデルとなりうる可能性を感じました。

(塩谷英之)                                   
医療検査学科と看護学科の合同IPW演習
医療検査学科と看護学科の合同IPW演習