保健科学部 医療検査学科Medical Technology

ピックアップカリキュラム

「細胞検査士」を養成する特別コース!

高度な技術と知識を兼ね備え、がん細胞の早期発見ができるスペシャリストを育てます。

がんで亡くなる人を少しでも少なくするために、大変重要な役割を担っているのが細胞検査士です。細胞検査士は、がん細胞を早期に発見するため、日々顕微鏡を覗きこみ、がん細胞を探し出しています。全国で14大学、近畿の4年制大学では本学が初めて養成課程を設立し、開設から10年間に120名の細胞検査士を送り出しました。本学の細胞検査士養成課程は、充実した設備で勉強しやすい環境を用意しています。

通常、細胞検査士受験資格を得るには、臨床検査技師になってから病理検査の業務実績が1年間必要とされています。しかし本学の「細胞検査士養成課程」で学ぶことにより、在学中に細胞検査士の試験を受けることが出来ます。「細胞検査士養成課程」では、様々な細胞について深く学ぶために900時間以上におよぶカリキュラムを用意し、卒業時には臨床検査技師と細胞検査士のダブルライセンス取得へと導きます。

日本人の死亡原因第1位であるがんは、細胞の病気です。人間の体にある約60兆個もの細胞の中には、自由勝手に増え続け、生命をおびやかす細胞ができることがあります。これががん細胞です。日本人の3人に1人ががんによって亡くなっているともいわれ、昔は不治の病として恐れられていましたが、医療が進歩した現在では、早期に発見すれば治る病気になりました。人から採取された細胞の中から、顕微鏡を使ってがん細胞を見つけ出し、早期発見に貢献しているのが細胞検査士です。

実習室に、2台の大型液晶ディスプレイを設置して、顕微鏡の画像を画面に映し出しながら、 複数人でのディスカッションができるようにしています。「この細胞はなんだろう?」と疑問 に思った場合も、その場で教員と学生全員で確認しあうことができます。

経験豊かな教員の下で
何度も繰り返して経験を積む

細胞の中には、正常な良性細胞とがん化した悪性細胞がありますが、一目見てすぐにわかるような特長的なものばかりではありません。一般的には、スライドガラスに塗りつけられた細胞の標本を染色液で染め、顕微鏡を使ってその形状などをもとに判断をするのですが、良性細胞の中にも形が異常なもの、逆に悪性細胞なのに限りなく良性細胞に近いものなど、様々な細胞があります。その境界を見分けられるようになるためには、できるだけたくさんの細胞を検査し、経験を積み、知識をつけていくしかありません。

そこで、細胞検査士養成課程では時間の許される限りたくさんの標本を見たり、鑑別したりといったトレーニングを何度も繰り返し行います。例えば、子宮の細胞だけを1ヵ月に渡って見ていくこともあります。良性と悪性を1週間ごとに交互に見ていくことで、区別の難しい境界を見抜く力を養います。

また、近畿各地の医療機関や施設などで、現場の第一線で活躍されている細胞検査士や、細胞診断を専門に行う医師である細胞診専門医など、いろいろな先生方をお迎えして、実際に診断に使われた標本を見ていきます。本物のがん患者さんの標本を見たり、類似症例と比較をしたり、現場で行われた判断を学ぶことで、即戦力として通用する力を身につけることができます。毎日何百人もの細胞を見ている現役の先生と直接話ができることもおおきな魅力です。

喀痰にて発見されたがん細胞

喀痰にて発見されたがん細胞

患者をがんから守るスペシャリスト

がんの検査と聞くと、みなさんはレントゲン、エコー、MRIやCTなどの画像検査を思い浮かべるかもしれません。しかし、これらの検査では、残念ながら細胞の良性・悪性までは診断することはできないのです。細胞検査を加えることでより確かな診断が得られます。細胞検査士は早期にがんの徴候を発見し、人の命を救うことができる素晴らしい仕事なのです。

先生方の手厚い指導と充実した設備のもと、
高いモチベーションを維持して勉強できました。

臨床検査技師の国家資格だけでなく、在学中に細胞検査士の認定資格も取れるのがこの学科の大きな魅力。4年次から始まる養成課程では一人一台の顕微鏡とデジタル端末が与えられ、同じ志の仲間と少人数で学べます。さらに、全員が同時に鏡検できる設備も充実しているのでモチベーションも高まりました。
現役の細胞検査士として臨床に立たれている先生方の授業は、どの話もリアリティがあって刺激的。多様な標本を提供していただけるので、顕微鏡試験対策もより深い視点で勉強できました。ダブルライセンスの取得には不断の努力が必要で大変な時期もありましたが、先生方の手厚い指導と、共に頑張れる仲間がいたおかけで最後まで頑張り切ることができました。

可知 真菜実(令和4年度卒業)

可知 真菜実(令和4年度卒業)
(長田高等学校・兵庫県)

臨地実習で何を学ぶ?

臨地実習は3年生の必修科目であり、臨床検査技師を目指す学生にとって重要なプログラムです。実習施設は、実習体制の整備されている神戸市をはじめとする近隣地域の中核病院など(約60施設)で、相互の協力体制が整っています。
実際の臨床検査の現場に身を置き、社会人としての良識を身につけるとともに、学内で学んだ基礎知識や基本的技術が臨床の場でどのように応用されているのかを理解し、検査情報より病態解析へのアプローチを実践する学外実習です。この実習を通して医療チームの一員である臨床検査技師の役割と責任を理解し、医療人としての自覚、現在の医療現場には欠かせない医療職としての礼儀作法、患者への配慮や適切な対応を身につけることを目指します。その結果、「医療チームの中で積極的な役割を果たす医療人になろう!」という意欲が沸いてきます。また、医療機関における検査部門の管理運営、検査部門の位置づけ、他部門との協調と連携などについても理解を深めることができ、自分の将来に繋がります。

本学はOSCE(客観的臨床能力試験)を導入しています

本学では臨地実習へ行く前に、技能修得到達度評価を実施しています。講義、実習で学んできた知識・技術に加え、病院内での実習を想定した心構え・態度が十分に備わっているかを判断する試験です。自身の手技・知識をもう一度確認し、臨地実習での学修効果を高める事がねらいです。

実習施設

実習施設実績

  • 滋賀医科大学医学部附属病院
  • 大阪医療センター
  • 淀川キリスト教病院
  • 大阪警察病院
  • 大阪赤十字病院
  • 大阪市立大学医学部附属病院
  • 大阪医科薬科大学病院
  • 大阪大学医学部附属病院
  • 野崎徳洲会病院
  • 大阪府済生会中津病院
  • 大阪府済生会吹田病院
  • 愛仁会千船病院
  • 多根総合病院
  • 北摂総合病院
  • 市立池田病院
  • 大阪労災病院
  • 堺市立総合医療センター
  • 兵庫県立尼崎総合医療センター
  • 関西ろうさい病院
  • 市立伊丹病院
  • 近畿中央病院
  • 市立川西病院
  • 兵庫県立西宮病院
  • 西宮市立中央病院
  • 宝塚市立病院
  • 市立芦屋病院
  • 三田市民病院
  • 明和病院
  • 甲南医療センター
  • 神戸労災病院
  • 神戸大学医学部附属病院
  • 神戸市立医療センター中央市民病院
  • 川崎病院
  • 神戸市立医療センター西市民病院
  • JCHO神戸中央病院
  • 神戸朝日病院
  • 済生会兵庫県病院
  • 兵庫県立こども病院
  • 神戸掖済会病院
  • 神戸赤十字病院
  • 神戸徳洲会病院
  • 神戸市立西神戸医療センター
  • 神戸医療センター
  • 兵庫県立がんセンター
  • 明石市立市民病院
  • 明石医療センター
  • 兵庫県立淡路医療センター
  • 兵庫県立加古川医療センター
  • 高砂市民病院
  • 市立加西病院
  • 西脇市立西脇病院
  • 北播磨総合医療センター
  • ときわ病院
  • 兵庫県立はりま姫路総合医療センター
  • 姫路赤十字病院
  • 姫路医療センター
  • 姫路市医師会
  • 高砂西部病院
  • たつの市民病院
  • 赤穂市民病院