ときわブログTokiwa Blog

教員ブログ

うちの猫

「この猫で最後やね」
先代の飼い猫が老衰で逝き、その後にもらってきた猫をみて、ぽつりと母は言った。
いつになくその寂しい言葉に、私は何も答えなかった。いや、何も考えたくなかった。

しかしその言葉通り、猫が4歳を迎えようかという頃、静かに母は逝ってしまった。
その後、猫は残された父と仲良く暮らしていたが、その父も、猫が8歳の誕生日を迎える前に、ある日突然、あっけなく母の下へ逝ってしまった。

猫はいま、私とともに暮らし、今年で10歳を超えた。
実家では、付近の野山を雨の日も風の日もお構いなく自由に駆け回っていたが、これからはそんな生活とは一変して、狭い室内暮らしの毎日となる。はたして適応できるだろうかと案じていたが、彼はたいして文句も言わず、粛々と自分の運命を受け入れて静かに生活している。

粛々と、淡々と。

猫から「人生」について気づき考えさせられることが多い、今日この頃である。

                                  看護学科教員