ときわブログTokiwa Blog
教員ブログ
捻挫して思ったこと
2015年05月18日(月)
駅の階段を急いで駆け降りたため、膝を激しく捻挫してしまった。
まだまだ若いと過信したのが、間違いのもとだった。
松葉杖がなければ一歩も歩けないほどの重傷だった。1週間ほどかかってようやくステッキへと進歩したが、
何をするにも不便このうえなかった。
ちなみにこの松葉杖はネット通販で購入したものだが、意外と安価でアルミ製のため軽く、
むかし抱いていたイメージとは違って、こんなに使いやすいとは思っていなかった。
それにしても、この不便な日々は、日頃思っていなかったことをいろいろ考えさせてくれることになった。
まず、世の中に足の不自由な人の多いこと。街角でも電車のなかでも、杖をついている人が結構多い。
今まであまり気に留めなかったが、足が不自由で苦労している人がこんなに多いのだ。
いずれ皆、齢を重ねれば、多かれ少なかれこのような境地に到るはずなのである。
次に、駅でのエレベーターがどんなに重要かということを、身をもって知らされた。
駅では、上りエスカレーターはあっても下りのそれはない、ということがままある。
このとき、頼りはエレベーターにしかないのである。
しかし、階段を自由に駆使できない者にとってのこの必需品が、時として遠い存在になることがある。
車椅子のひと、松葉杖のひと、ベビーカーを押した母親、大きなトランクを引きずった旅行者、
これらの人々を尻目にさっさとエレベーターに乗り込み、ドアを閉めてしまう若者がいる。
そんな光景を目撃したときには、暗澹たる気分にならざるをえない。
しかし、そんなケースは例外的だろう。そう信じたい。
この数ヶ月、まことに辛い日々が続いた。だが、それも無駄ではなかったような気がする。
今まで気がつかなかったさまざまなことの発見である。身体の不自由な人々の位置からの
世界の見え方・聞こえ方の一端がわずかながらも体験できたように思う。
健康な若者たちも、一度はこの種の模擬体験をしてもいいのではないか、とすら感じた次第である。