ときわブログTokiwa Blog

教員ブログ

卒後30年目のクラス会を前に

 「卒後30年目にあたる来年の5月にクラス会をしたいと思います」との暑中見舞いを、
昨年教え子から受け取った。

 連絡をくれたAさんは、実家のある地方都市の公立保育所に卒業以来勤務している。
折に触れ家族のことや保育所を取り巻く状況の変化を手紙で伝えてくれ、
保育士として一人の女性として順当に経験を重ねているようである。

 一方、Aさんと仲の良かったBさんは、社会人として仕事をした後に「保育」を学びたいと
入学した熱心な学生だった。当時、若手の教員が中心となって学内で研究会をしていた。
気が付くとBさんも参加し、Aさん達も参加するなど、学生の間に「保育」を真剣に学びたいという
雰囲気が感じられた。そこで、大学祭で研究成果を発表してみてはということになり、
教員も手伝い、導入されたばかりのコンピューターを使い何日も泊り込みデーターを
まとめて冊子に仕上げるなどした。研究メンバーの中心だったBさんは学びを深めるために
大学に編入し大学院にも進んだ。地元に戻り地方公務員になり実家の農業も継ぎ、
年賀状のやり取りで、「環境」問題を通して自然農の道に邁進していることは知っていたが、
一昨年『自然農の米づくり』の本を出版するまでになった。
著書の中の「稲と人の育ち方・育つ・育てる」を読むと、かつての「保育」の学びが息づいているように
感じられたが、どのような日々を重ねてきたのだろうか。

 当時の私は、グラフィックデザイナーから中学校の教師を経て大学に着任し、
「保育」の世界に初めて出会った頃だった。
 30年ぶりの再会は、20歳代だった彼女達のそれぞれの人生の歩みに出会えるとともに、
彼女達の目に映っていた当時の私とも出会えそうで、楽しみでもありまたドキドキもしている。