ときわブログTokiwa Blog

教員ブログ

昨夜 神戸の夜を照らす月を、E科の先生お二人と見上げた。

お月見には少なからず思い出がある。

子ども期の思い出
・・・・姉兄と歳が離れていたので、子ども期は一人っ子だった。・・・
南向きの縁側に文机をだし、近くの河原で取ってきた「すすき」を花瓶にさす。
母がゆでてくれた「栗」や「枝豆」、「きぬかつぎ」をお皿に盛る。
母に余裕のある年は、「おはぎ」も作ってくれた。
小学生の私に、お月様を愛でるという風流はなく、食べ物が並ぶ喜びのほうが大きかった。

幼稚園に勤めているときの思い出
お月様の絵本の中でも「いわむらかずお」さんの14匹シリーズの「おつきみ」は印象深い。
・・・大木のツリーテラスに家族が勢ぞろい、満月に14匹のネズミの家族の影が浮き上がる・・・
そのページをめくったとき、子どもたちのため息がいつも聞こえる。

子どもたちと月見団子を作ったことがある。
ボールに米粉と水を入れ、耳たぶくらいの柔らかさにこねる。
10円玉ぐらいの大きさのお団子を作る。
お団子をお湯で茹で、きな粉をまぶす。
この行程を、5~6人のグループで行う。
粉をひっくり返しそうになったり、お団子の大きさがバラバラだったり・・・
それでも、出来上がった「きな粉餅」を遊戯室壁面に貼ったお月様にお供えし、その前で「むかーし、むかし、インドの国に仲の良い3匹の動物が居ました。・・・」と
「月にのぼったうさぎ」の話をする。
子どもたちは神妙に話に耳を傾け、
・・・・・「だから月には今もうさぎが住んでいるンだ!」と空想の世界に浸りこむ。
・・・お団子を頂くときは、すっかり現実に戻ってはいますが・・・・


3年前の思い出
我が家の南西向きテラスにお月様がお出ましになるのは、結構遅い目。
嬉しいことに、十分に遅い時間からでもお月見が楽しめるのです。
十分大人な私は、テラスに小テーブルをだし、秋の野草をつる首花瓶にさし、酒の肴をワンプレートにもり、虫の声を聴きながらチビリチビリ。

今も月を愛でる暮らしができるのは、子ども期の暮らしがあったから。
子ども期の原体験が、白髪交じりの今の私の核になっている。

そう思うと、乳幼児期の子どもの暮らしの中に、生涯の糧となるような出来ことが織りなされる必要がある。
中秋の名月から思い出を掘り起こしたら、またもや、保育につながってしまった。


あぁ・・・・もう一度、保育がしたい。

E科 多田琴子