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エネルギー保存の法則

みなさん、こんにちは。
心臓超音波検査(心エコー検査)では、弁の逆流や狭窄の血流速度を用いて、弁の前後での "圧較差"という血圧の差を求めることが出来ます。図1では、右房と右室の間にある三尖弁は閉じているはずの時相ですが、この人はきっちりと閉まっていなくて少々血液が右室から右房に逆流をしています。右室の圧力と右房の圧力との差(圧較差)が大きければ逆流の血流速度は速くなります。つまり血流速度は圧較差に比例しているのですね。よって圧較差は血流速度V(m/sec)を用いた以下の簡易ベルヌーイの式により求めることが出来ます。

簡単な式ですが、これは、高校で習ったエネルギー保存の法則(図2)を基にした複雑な式がある条件下でこのような簡単な式で表されて、日常の心エコー検査に利用されています。中学校や高校で習ったことが、日常のいろいろな場面で用いられていると知ることは学生さんにはちょっと嬉しい瞬間のようですね。