ときわブログTokiwa Blog

教員ブログ

醍醐寺五重塔

 先日、醍醐寺に訪れました。
 宗教の難しいことはわかりませんが、醍醐寺は874年に創建され、941年に五重塔が建設されたそうです。日本では法隆寺の五重塔に次いで古い木造建築の五重塔があるお寺です。

 なぜこの地に訪れたのか?
 五重塔の建築の方法が、現在の東京スカイツリーに生かされていると聞いたからなのです。

 各地にある五重塔は、今まで震災により倒壊した記録はなく、耐震性に優れている木造建築だそうです。その秘密は"心柱(しんばしら)"にあります。塔の中央を貫く1本の心柱は、外見から見える各層の建材と一切触れず、分離して作られています。そのため、地震の際には外装部と心柱がずれて振動することによって、塔全体の揺れを制御し、倒壊を防ぎます。

 この日本の古くからある技法を参考に最新技術を駆使した東京スカイツリーが完成したと聞き、一度行ってみたくなったのです。その五重塔の内部は入ることができないので心柱を見ることはできませんが、外装の装飾の凝っていることといったら、「素晴らしい」の言葉だけでは表せないものでした。かつての日本人は、小さな装飾一つにも細やかな心遣いと繊細な技術を駆使して作り上げ、今の私たちにつながる何かを残してくれたのです。
 欧米から取り入れる最新の技術や文化もいいのですが、日本には古くからの素晴らしい文化と技術があり、日本は欧米とは違う風土があります。日本の古来よりある文化を見直し、欧米の物をそのまま取り入れるのでなく、日本の風土に合ったものに変化させたりすることも重要なのかもしれません。

 そのお寺にはたくさんの国宝や重要文化財があり、住宅地の真ん中にあるのを忘れるような空間がありました。夫婦二人でゆっくりと散歩をしながら、俗世間から離れて心休ませてもらえる空間と時間でした。
 たまには、こんな空間で時間(とき)を過ごすのもいいものですね!