ときわブログTokiwa Blog

教員ブログ

18歳

 孫は18歳、高校3年生である。バトミントンをやりたくて目指した高校ではそれなりの成績を残せたようだ。クラブ活動も終え、目下センター試験に向けて猛勉強中である。
 将来の夢に向かって、大学のオープンキャンパスにもいくつか参加しつつ、目指す大学は決まったようだ。塾にもいかず、でも片時も問題集や参考書を手放さない。「よく努力するなあ」とばあばバカは、人知れず孫自慢なんかしている。18歳の誕生日を前に話をする機会があった。18歳になると選挙権が得られる。大学生になることと、選挙権も持つことは、自分の人生の一大イベントなんだという。大学生になることでは自由度に夢を持っている。そしてその責任として選挙権を考えていた。来年の参議院選挙では、はじめて投票することになる。「ちゃんと意識しているんだ。今どきの18歳はしっかりしたものだ」と 感心しながら自分の18歳を振り返っていた。あの時も社会が大きく動いていた。1960年。60年安保闘争の真っただ中に看護学校に入学した。看護を学びながら、命を守ることと世の中の仕組みについて考えざるを得ない環境の中で、自分がどう生きるかを真剣に考え悩んだことが思い出される。
 今はまた、当時よりもグローバルな社会で、まさに世界はひとつを実感する。次代を担う青年たちにとって、未来をどう描くのか、未来をどんな社会としてイメージし、どんな自分の姿を夢見るのかを思うとき、手放しで楽観的にはなれない自分がいる。
 看護師として一人の命の尊厳をどう守るかを考えながら、中東の人々の命とくらしを他人事とみることはできない。武力では安寧も平和も得ることはできないことを人類はいつになったら学修するのだろうか。
 せめて我が国では、18歳が、自分の未来にむけた判断をするとき、そのための情報がゆがめられないことを祈りたい。そしてまだ選挙権を持たない孫たちの未来も安全で平和であるように願いつつ、ばあばは、自分の未来として老後の安寧を考える日々である。