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大阪平成中村座

 大阪城の西の丸庭園に、歌舞伎の仮設舞台が10月末に建てられました。
1か月のお芝居のためだけに建てられた劇場です。
 ラストシーンでは、舞台の後ろがぱーっと開いて、天守閣がライトアップされて登場します。

 大阪平成中村座の公演を見てきました。

 平成中村座は、3年前に亡くなった中村勘三郎が、
江戸時代の芝居小屋での面白い歌舞伎を再現しようと作りました。
 演目は、谷崎潤一郎の『盲目物語』という大阪城がでてくる切ないお話です。
この主人公を、中村勘九郎と弟の七之助が演じていました。
役者たちは、舞台だけでなく客席の中も走り回ります。走り回ると劇場が揺れてすごい迫力でした。

 歌舞伎はこの頃ますます面白い。若手の役者がどんどん新しいことに挑戦しているからかもと思います。
平成中村座は、ニューヨーク公演でも人気を集めましたし、
今年は、大道具にCGを使った歌舞伎の公演がラスベガスで開催されました。
 うまくいかなかったり滑ったりしている様子も窺えますが、必死でチャレンジする姿は素敵と思います。
大学生の頃、初めてヨーロッパに旅をしました。君の国の自慢って何と聞かれて、答えられない自分でした。

 で、歌舞伎です。初めて行った頃は、セリフや浄瑠璃がうまく聞き取れなくて、十分に楽しめませんでした。
でもやっぱり魅力的で、回を重ねるうちにはまってしまいました。
浄瑠璃もイヤホンガイドを借りれば、簡単に楽しむことができます。
 歌舞伎は、ほとんど漫画です。見栄を切るところは、クローズアップの手段だし、
いい人は白塗り、悪い人は青色の隈取だったり、病気の人は紫の鉢巻をしていたり、
いろんな決まり事があって、わかりやすいです。舞踏あり、アクロバットあり、
音楽あり、お笑いあり、涙あり、何でもありの歌舞伎です。

 漫画は今や日本の誇れる文化となりましたが、そのルーツはもしかすると歌舞伎かもと思った先週でした。