ときわブログTokiwa Blog

教員ブログ

秋と言えば運動会。今年は保護者として観に行く最後の小学校運動会でした。

最高学年の組体操は、運動会の目玉の一つです。昨今、物議を醸している組体操ですが、
「明日までに立ちブリッジできるようにならなあかんねん」と、できるまで何度も動画を観ながら
練習する姿を目にし、倒れそうに暑い中、運動場で痛い思いをし、先生に「歯をくいしばれ!」と
怒鳴られながら練習する様子(痛すぎて泣く子もいたらしいです)を報告する息子の話を耳にし、
否が応でもテンションは上がります。

とはいえ、大ケガと隣り合わせなのは事実で、心配しなかったというとウソになります。
息子の学年の組体操の一番の見どころは、122人全員で作るピラミッド(論争の発端でしたね)
でしたが、他にも、3人の肩の上に2人が乗り、その肩の上に一人が立ち上がる「3段タワー」
という技と、16人が一つのグループになって行う「人間おこし」という技も相当に練習を
重ねていました。「人間起こし」というのは、土台の児童の肩に一人が乗り、乗った児童の
足を2人が支え、その前後に6人が3列になります。肩の上に立った児童が、
後ろの6人の方へバタンと倒れると、身体を支えた6人が倒れてきた児童を投げ起こし、
投げられた児童はまた土台の児童の肩の上にまっすぐ立ち上がります。
今度は前にバタンと倒れ、支えた前の6人が今度は思い切り身体を後ろまで投げ、
最後は後ろに倒れた状態からまた投げられ立ち上がるというものです。
倒れる児童は仲間が支えてくれることを信じて勢いよく倒れ、支える児童は必死に支えて、
投げ起すわけです。息子は、肩の上に立って倒れる役だったので、練習の様子を聞いていると、
勢い余った息子の身体を支えきれず地面にたたきつけられる場面がふと頭をよぎったりもして、
「支えるみんなお願い!」と祈るような気持でした。当の息子は何の不安もなく、
毎回勢いよく後ろに前に倒れていたようですが・・・

運動会当日、14人のメンバーに囲まれて、肩の上に直立している児童8人が、
「せーの!」という掛け声とともに同時に、後ろに前に勢いよく倒れ、
それを他のメンバーが支え、投げ起こす姿には、手に汗を握りましたが、
胸が熱くもなりました。賛否両論のある組体操ですが、運動が得意な子も苦手な子も、
器用な子も不器用な子も、危険が隣合わせの緊張感の中で、それぞれが自分の
持ち場で仲間を信じ、責任を持って役割を果たし、みんなで演技を創り上げていくという
経験からは、忍耐とか自信とか信頼とか連帯感とか責任感とか達成感とか、
子どもたちが学べることがやっぱりたくさんあるよね、という結論に落ち着きました。

運動会が終わったら、次は音楽会。私たちにまた感動を与えてくれるはず。
日本の小学生は何とも忙しいです。