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トレイルマラソンと、ときわ坂登り攻略法

                         保健科学部 看護学科 黒野利佐子
 私は子供のころから飛んだり跳ねたりが大好きな俗にいう跳ねっかえり少女であった!? 小学生の高学年で飛箱は最高段の8段で、足ふみからだんだん飛箱を遠ざけて飛ぶ、という競争で女子の中で唯一、男子数名と競ったり、プールの飛び込みはいつも模範例を示すよう教員から声をかけられた。ところが、肝心の陸上競技や水泳となるとイマイチで、せいぜい県大会に出る程度、特によい成績を収めた記憶はない。 
 その私がはまっているのが、トレイルマラソン、山野のトレイルを走り回るスポーツである。5月に出場した奈良県の十津川村のレースでは、走行距離35km、累積標高は2,900メートル、初めの1kmで高さ600メートル上る急傾斜では三点支持移動、ほとんど四つん這いで、一肢が浮いているという状態で延々30分ほど登山するので、走るのとはほど遠い状態の難所がコースに何か所もあるマラソンであった。通常の舗装道路でのマラソンと大きく違うのは、常に足元が不整地で、動きながら「次の手は、足はどこに置こう、着地の体や足の向きはどうしよう、もし足を置いた土が崩れたり、苔むした石で滑ったり、浮石に着地して転がってしまったら、どう体勢を整えよう」、と一瞬一瞬判断を迫られながら、意識を集中させて動くところである。同じ道でも晴れてカラカラになっている時、落ち葉に埋もれている、雨でぬれている、濡れた後、湿気が取れない、最悪苔むしてヌルヌルになっている、路肩がくずれている、凍ってつるつるになっていたり、新雪の上、固まった雪の上、それぞれの天候で全くコンデションが違うのも楽しい。もちろん滑ったり転んだりすることもあるが、常日頃、柔軟体操と11kgの錘をつけて40分以上毎朝歩いて、体は鍛えてあるから、そうそう簡単には故障しない。50歳を超えて、大石に一回転して背中から落下したことがあった。1分ほど息が止まりそうに痛かったが、鈍痛に変わり残り5km走り続けることができた。痛みを伝える神経も感知する脳もボケてきている、、、と言われそうだが、私は、逆立ちして背中から倒れる練習をしていることと、鍛えているところはそれだけ高い酸素需要にこたえて毛細血管も発達し、痛み物質なんかもさっさと分解・排泄する仕組みができているのではないか、と悦に入って考えている。また、滑ったり転んだりしたときは、どんなふうに失敗したのか、何がいけなかったのか、考え、「大きなケガにならずに済んで 自然の皆さん厳しい練習をありがとうございました。次回の教訓に活かします。」とポジティブに捉えて感謝の気持ちに転換するようにする。転ぶのも一興である。
 そうそう、それで編み出したときわ坂の登り攻略方法を伝授しよう。いつも始業時間に間に合わないで坂を「ふうふう」上っているあなた、きっとあなたもこれで新長田駅から大学まで7分を切って走れるようになる。坂を上るときは腰から上を前傾姿勢、前に倒れて自然に足が前に出るくらいまで傾ける。ただし上体は空気をたくさん吸えるように胸を張って起こす。両手は両脇を広げないで大きく前後に振って、推進力を得るようにすること。
 登坂は平地と比べて消費カロリーの高いとても効率の良い運動のチャンス、ダイエット効果も期待できる。くれぐれも通行人の邪魔にならないように気を付けてぜひお試しあれ。