ときわブログTokiwa Blog

教員ブログ

今日の海

 毎日、山を登ることが苦痛でないとは決して言い切れないが、日々異なった表情を見せてくれる『海』に出会えることの楽しみは大きい。
 今日はどんな表情を見せてくれるのだろうか。

 海を眺めていると、大学時代を思いだす。
 「時間はあるが、お金はない」というよくある(?)大学生だった私。北海道が大好きだったが、旅行するにはお金がかかる。ならばと、長期休みにはフェリーで敦賀港と小樽を往復し、現地で食事と寮付きの看護助手のアルバイトをしながら数週間過ごしていた。20年以上前のことである。当時、高速船と言っても、片道30時間近くはかかっていたかと思う。長期休みの課題を船に持ち込み、課題に取り組む合間に、ぼーっと海を眺める時間が何とも言えず、とても贅沢な時間だった。
 海が見せる刻々と異なる表情は、何時間見ていても飽きることがなかった。

 今、研究室から見える海は、また今までとは違った感覚を私にもたらす。
 晴天で、空からの光に海がキラキラ輝いているのを見ると、気持ちも晴れる。
 水平線と空との境界が曖昧な日は、マンションの上に船。「船が空に浮いている」感覚。そんな不思議な感覚もまた面白い。

 今日はどんな見え方をするのだろうか、次はどんな表情をみせてくれるのだろうか、それはまるでその日、その時の運勢を占うようでもある。