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2050年、日本の空は明るい?

 ついこの間、新世紀を前に「21世紀問題」などと騒いでいたと思ったら、あっという間に時は過ぎて、最近は「21世紀半ばの世界はどうなるか?」などという話題が喧しい。
 Ironicalで、ちょっとしゃれた文体で有名なイギリスの経済専門誌「エコノミスト」が、このほど「2050年の世界 - MEGACHANGE」なる本を出した。
 2050年、つまり今から36年後を予想した本であるが、僕は計算上96歳となり、この世に存在している確率はかなり低かろうと思うが、今の大学生たち(18歳~22歳)にとっては、54歳~58歳と壮年期後半にさしかかり、ますます脂の乗り切った人生を送っている頃であろう。

 2050年の世界人口は、さらにあと30億人増えて、ついに100億人を突破するというのは明白である。中国は、一人勝ちの経済成長をねらい、数は力と「ひとりっ子政策」はとうに放棄するだろうから、世界の人口増加はさらにその速度を増して行くだろう。
 2050年の7大経済大国の顔ぶれは、1位中国、2位アメリカ、3位インド、4位ブラジル、5位ロシア、6位インドネシア、7位メキシコとなるのだそうだ。もう日本も、ドイツもフランスもお呼びでない。結局、経済成長は人口増加に最大の恩恵を受けるわけで、経済大国になるのは、人口増加国なのである。

 世界全体で高齢化は進行し、65歳以上の高齢者1人を2.2人の生産年齢(15歳~64歳)人口で支えることになるという。先日(4月15日)総務省が、65歳以上が25%を越え、生産年齢人口が8000万人を割ったと発表した日本では、更に少子高齢化は進み、高齢者 / 生産年齢はほぼ1、つまり1人で1人を支える、ほとんど "肩車" 状態となる。
 世界のGDPの半分は東アジア(中国、インド、インドネシア)が占め、産業革命以来主導権を握ってきた西洋から再び東洋へと、歴史は「回帰」する。
 そんな東洋の繁栄にあって、我が日本はどんな位置を占めているのだろうか?この本の未来予想では、すこぶる思わしくないジョ-キョ-が語られている。現在世界第3位のGDPを誇る日本は、中国やロシア、インドはもちろん、韓国にも抜き去られ、中進国へと転落する!

 このような未来 "予測" が,先にあるという "現実"(予測は現実ではないのだが、「エコノミスト」によれば、この予測はほぼ現実であるとのこと!)を前に、将来のよりよい日本を目指して、次世代にバトンタッチすべく、自分の仕事を黙々と頑張る我々は一体どうすればいいのだろう?

 2050年の日本の空を想って、ふと厭世的な気持ちになるのは、僕だけでしょうか?