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挨拶の効用

 「挨拶」の語源は 「一挨一拶(いちあいいっさつ)」という禅の言葉だそうです。師と修行者、あるいは修行者同士が出会った時、言葉や動作で互いに相手の悟りの深浅などをためすことで、「挨」は軽く押すこと、「拶」は強く押すこと、合わせて押し合うさまをいうそうです。

 日常生活の中でも、周囲とのコミュニケーションをもっとも簡単に実現する方法のひとつが挨拶であることは論を待たないと思います。しかし挨拶されて返すのは簡単ですが、自分からきちんと挨拶することはなかなか勇気がいるものです。

 私の若い頃の苦い経験ですが、以前に一度お目にかかったことのあった著明な先生に、ある学会ですれ違うことがありました。恥ずかしいということもありましたが、若輩の私のことなど覚えておられるはずも無いと一人で合点し、挨拶しませんでした。その後お会いする機会があった時に、「あの時の学会に来られていましたね。」と言われ、大いに赤面しました。それ以来、しなくてもと思った場合でも極力挨拶するようにしています。相手が覚えていなくても、挨拶をされて嫌がる人はほとんどいないわけですから。

 本学の学生さんも臨地実習で、挨拶が大切なことは十二分に承知していることと思います。それでも、先日巡回で担当の病院に伺った折に、学生の常識がない、挨拶ができないと大いにしかられました。学生に伝えると、「挨拶しています。」と納得がいかない様子です。しかし、相手に伝わっていなければ、していないのと同じです。せっかくです、気分よく大きな声で相手に伝わる挨拶をしたいものです。笑顔をプラスして。

元アサヒビール社長の 樋口廣太郎さん の次のような名言があります。
『大きく声を出して いつも元気にニコニコしていれば、 大抵のことはうまくいく。 』