保健科学部 口腔保健学科Department of Oral Health Sciences

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【口腔保健学科】人体解剖見学実習の実施

コロナの影響で見合わせておりました、この度で4回目となる人体解剖の実習見学を、3年ぶりに大阪歯科大学楠葉キャンパスにて実施いたしました。前回までは1年生を対象に行っておりましたが、できるだけ多くの学生に実習機会を用意してあげたいという思いがあったこと、また、1年間通じて多くのことを学んだ学生がこれから臨地実習に出る前に、もう一度人体を理解するタイミングとして良い機会であったことにより、今回から2年生を対象に行うこととなりました。今年度より、口腔保健学科は4年制となったため、短大最後の卒業生にあたる二年生の学生に、当学科の「いのちを大切にする温かく豊かな感性と知性を備えた、資質の高い歯科衛生士を養成する」という教育理念を体現する場として本実習を実施できたことは、非常に感慨深いものがありました。

学生の事前レポートでは、この度の実習が非常に貴重な体験であること、ご遺体への敬意と感謝の言葉などが見受けられました。

当日は好天に恵まれ、学生の熱心に取り組む姿勢から、熱気さながらの暑さを感じる程の中迎えることができました。初めに、大阪歯科大学解剖学教室の戸田伊紀教授から実習開始の心得を聞き、大阪歯科大学「黄菊会」(ご遺体献納の会)より提供された布で包まれたご遺体13体を、各テーブル6人の学生が取り囲み、黙祷を捧げました。学生たちは眼前のご遺体に畏怖と敬意の入り混じった様々な表情し、全身の解剖から頭頸部の解剖まで2時間の間、黙々と人体のすばらしさや多様性に驚きを感じているようでした。戸田教授から途中で休憩を取るか学生に問いましたが、ほぼ全員が貴重な時間を無駄にしたくないと、休憩なしで取り組んでいました。解剖学の授業から1年ほど経過していたためか、戸田教授同じく大阪歯科大学角陽一先生からの質問への回答は難しいようでしたが、普段の大学の講義では見られないような目の輝きで、大きくうなずきながら自身の記憶と照らし合わせるように説明を聞いていました。

実習終了後の感想では、

「改めて人間の体の構造の複雑さを感じました。実習を終えた後と前では人体の構造の理解度が圧倒的に違うことを実感し、もっと勉強しなければならないと感じました。」

「実際に見て触れる事の重要性を知ったため、今まで以上に実習に積極的に取り組もうと思った。」

「実習中はご献体の表情などから生前の姿が思い起こされ、最後の黙祷ではいろいろな想いから感謝の気持ちでいっぱいになりました。このような貴重な体験をさせていただき、ご献体くださった方やその御家族の方に感謝し、これからはより一層、責任感と向上心を持ち、勉学に励みたいと思いました。」

「全身の構造の複雑さ、全身のことを知ることの大切さを学びました。今日の解剖実習の記憶を大切にし、患者さんの全身の健康管理の支援ができる歯科衛生士になりたいです。」

など、今後の学習への意欲や、歯科衛生士になる者として自覚のあるコメントが寄せられました。

本実習は、今後も希望すれば既卒者や他学年でも参加が可能になるようなシステムが構築できればと思います。

  最後に、お忙しい中貴重な時間を割いてこの実習のご指導をいただいた、大阪歯科大学の戸田教授、角先生には深く感謝致します。

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