ときわブログTokiwa Blog

教員ブログ

囲碁の魅力

囲碁の歴史は古い。どうも枕草子の清少納言や源氏物語の紫式部も囲碁の愛好家だったらしい。また、戦国時代に至っては、国土の狭い日本だから各大名の主たる関心は領土の拡大だったわけだから囲碁は人気のゲームだったのだ。各大名は、囲碁を通して黒石と白石を兵隊に見立て、19×19の碁盤全体の領地拡大作戦を練ったのではないかな。NHKの大河ドラマで放送された軍師官兵衛や織田信長らも陣取りゲームの囲碁を愛した達人だったにちがいないと私は思う。今日では大物政治家や大企業の社長も囲碁の愛好家が多く、また私のようなヘボ碁の碁キチまで入れると囲碁人口は富士山の裾野のように広がる。なんとレジャー白書によると、囲碁人口は2013年末時点で推計600万人である。2013年の年齢別構成は10歳代11.8%、60歳以上8.1%であった。老若男女を問わず、70歳でも80歳からでもだれでも始めて楽しめる。囲碁は手談ともいわれ、一手一手、お互いが打った石の意味を考えて非言語的コミュニケーションをするゲームである。囲碁通信ネットを使えば、いつでもどこでも待たずに好き放題に遊べ、グローバルな交流を楽しめるのである。例えば、日本中、いや世界中に多くの囲碁愛好家と瞬時につながって、北海道から沖縄までだけでなくヨーロッパやアメリカなどの人と対戦しながら国境を越えて心が通じ合えるのである

囲碁はゲームとしてだけでなく、様々な効用がある。とにかく、頭の体操になる。まず、前頭前野が鍛えられて判断力、集中力が養われる。また試合中は、我慢してチャンスを狙うことが大切なので、自然と忍耐力や記憶力が身に付く。そして囲碁は大局観が必要で、序盤から構想を練って戦略を競うが、自分だけが得しようとするのではなく、相手にも利益を与えつつ、自分が1目でいいので得できるように考えて着手する。なので、自然と柔軟性やバランス感覚が磨かれる。囲碁はマナーが重要、対局の初めには「よろしくお願いします」とあいさつし、終わりに勝っていたら「ありがとうございました。苦しい戦いでした。負け碁を拾いました」、負けていたら「参りました。投げ場を逸してすいませんでした。」などと謙虚に礼をするので、自然に挨拶をする習慣が身に付く。限られた時間内に自分で判断し自分で打った責任は自分がもつので主体性につながる。1局1局が人生のようなもので、1手1手で戦局は変化し途中までこれは勝ったと思っても最後の1手の悪手で大逆転されることもあるし、その逆に妙手や狙い澄ました一手で相手のポカを誘い、勝ちを拾うこともあるので最後の最後まで真剣勝負である。

ルールは簡単だ。黒、白の順番で19×19の線が引いている交点のどこに置いてもいい。とにかく自由なのだ。詳しくはネットで囲碁の会員制サイトのルール解説を開き、初心者のためにわかりやすく、教えてくれるコーナーがあるので見てみよう。定石などを学んで強くなれば昇級していくのもうれしい。本屋にいけば、一杯、囲碁の普及本が並んでいる。初心者向けでは小学生にもわかりやすいように書かれた「ヒカルの碁」なんかもある。そこでルールを覚えたら、実践してみたくなるのが人情。しかし、ネットで無料の囲碁サイトには手を出さないことだ。マナーの悪い対戦相手にあたることが多いので控えたほうが賢明だ。その点、有料サイトはマナーがよい人たちと申し込めば待たずにすぐに対戦できるし、自分の対戦記録が残っているので、試合後に振り返って何度でも研究ができる。また、公的なサークル教室でプロやセミプロの人が良心的に親切丁寧に教えていただける所が見つかれば、ラッキーだ。囲碁は生涯教育だ。学びをどこでどのように深めていくか、対戦場所の選定が重要だろう。それでは、囲碁の魅力にとりつかれたらLet's play go!