ときわブログTokiwa Blog
教員ブログ
自治会活動について
2015年04月06日(月)
私は、今年度自治会及び管理会注1)(以下自治会)の役員をしましたので、その経験から思ったことを書きたいと思います。この10数年間、諸事情により自治会活動には殆ど参加していない私ですが、役員は輪番制で20年前後に1回まわってきます。私が住んでいるのは、新興住宅地の建売住宅で、30数年前の同じ時期に96軒皆一緒に入居しました。自治会というのは、昔から住宅地である地域でいうところの町内会です。
私はそれまで、近所は仲が良く、助け合い、和気あいあいとした地域だと思っていました。ところが、5年位前から自治会の役員と一部の住民との間でトラブルが絶えず路上での怒鳴り合いも珍しくなかったとのことでした。一部の住民は、地域の繋がりは重要で自治会活動を活発にしたい。そのため、法律に基き作られた自治会・管理会は、法律を順守せよという主張で、他の方の意見を一切受付ません。役員は1年交代ですので法律に精通していない場合が多く、気づかずに厳密にいうと法を逸脱することもあったようです。しかし、役員は自分達の利益のためではなく、住民の高齢化に対応し役員の労力を軽減したり、その時の状況を少しでも良くしようとした結果でした。それなのに、法律に触れることをして訴えられたらあなた達が責任を問われる、責任をとる覚悟があるのか、と詰め寄られた役員は、段々クレームをつけられないようにすることに終始し、それでもクレームは止まず、争いを避けるために強い意見を出した人の言う通りになる。疲れ果てた役員は任期が終わると、自治会には一切関わりたくないとなり、自治会総会に出席する住民が減り、より一層自治会活動は低迷しています。
今日本は、高齢化率25.1%の超高齢社会となっています。そして、単身世帯が増加し、認知症の独居高齢者が、近所に住んでいるということも珍しくありません。国は、地域包括ケアシステムの構築を推進しています。また、南海トラフ地震など自然災害が何時どこで発生するか分からないと言われています。ですから、地域の繋がりや助け合いの重要性が叫ばれ、阪神淡路大震災を経験した私達はそれを実感しているはずです。
「遠くの親類より近くの他人」といわれるように、私達は、常日頃から地域の繋がりを大切にする必要があります。人が集まれば色々な意見があるのも当然です。お互いの意見を出し合い、この部分は厳密にした方が良い、この部分は拡大解釈でもいいと、話し合いが重要と思います。ただ、これが一番良いと考えて意見を言いますので、他の方の意見より自分の意見の方が良いと考えます。人の意見を聞くとは、言葉として聞くのではなく、自分の意見を一旦横に置き、相手の意見を聞く、その上でいい点、よくない点を考えることだと思います。ですから、人の意見を聞くことは大変難しいです。でも、それができたら争いはずいぶん減ると思います。自治会活動を良くしたいという同じ目的を持ちながら、目的とは反対方向になってきているという事態を見て、とても残念に感じました。これを、一部の住民にお伝えする機会があればと思いながら、私の思いが伝わらなかったら、この争いの渦中に巻き込まれると考え、なかなか勇気の出ない私です。
注1)近くの3つの自治会及び管理組合の住民の共同所有の集会所があり、3つの自治会及び管理組合の代表による共同管理が行われている。慣例として、役員は自治会役員と集会所管理会の役員を兼務することになっている。