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青紅葉

 学生時代の友人と京都で会う約束をしました。その友人とは年賀状のやり取りは欠かさずしていましたが、直接会うのは何十年かぶりでした。先ず、待ち合わせ場所でお互いが分かるかが心配でしたが、友人が声をかけてくれ無事に会うことができました。
 この前あったのは何時だったか、「あの時あそこで会ったわよね」「え~そうだったかしら」「あの時あそこで会ったじゃない」「え~記憶にない」そんなお互いの記憶がかみ合わない会話をしながら、何処に行くかということになりました。すると、京都生まれで今も京都に住んでいるが友人が「みんな伏見稲荷に行きたがるけど、今は青紅葉の季節だから高い所に行きましょうよ」と言いました。私は、少しの間「あ・お・も・み・じ?」と考えましたが、近くに新緑の楓を見つけ、合点がいきました。私は、紅葉(もみじ)といえば秋という感じで紅葉しか思い浮かびませんでしたし、「青紅葉」という言葉も初めて聞いたように思いました。
 家に帰ってから「青紅葉」という言葉が気になり、多分辞書には載っていないと思いまながらも、広辞苑で引いてみました。すると、「まだ紅葉しない楓」とありました。それで、私は知りませんでしたが、日本語として認められている言葉だということが分かりました。
 私は、木々の新緑を見るのは好きですし、見ていると清々しい気分になります。しかし、今まで新緑の楓を意識することはありませんでした。確かに冬には葉がなくなり枝だけであった楓が、みどりの葉を茂らせている様子は冬とは全く違う風情があります。そして、秋には晴らしく美しい紅葉で豪華な姿を見せてくれます。そういう、季節の移り変わりを生活のなかで敏感に感じ表現するという、京都の生活の仕方に触れた気がしました。