ときわブログTokiwa Blog
教員ブログ
お疲れ様2号館 - 私の2号館の想い出 -
2015年03月18日(水)
神戸常盤大学の2号館が、建て替えになります。
あの震災も乗り越えてきたのですが、とうとう建て替えです。
私は、平成20年、常盤が短大から大学になった時から教員として7年館お世話になっている中で、6年間、2号館と深くかかわってきました。
今更ですが、2号館の紹介です。3、4階は吹き抜けで、体育館(旧体育館)です。
私の旧体育館の思い出は、研究室で聞いたクラブ活動のボールの音です。研究室は1階ですが、運動している音が夜遅くまで聞こえて、がんばっているなあって感じでした。
次は2階です。講義室と医療検査学科(M科)の生理学実習室です。
階段教室の講義室2201は、学科学年を問わず、皆さんにはなじみ深いところでしょう。
私は、講義を担当していませんので、この部屋で、1番思い出すのはM3生の臨地実習報告会とM4生の卒業研究発表会です。年度が替わっても、毎回みなさんの堂々とした発表の姿に、改めて、皆さんの成長を感じた場所でした。
生理学実習室2204、M科の皆さんは、心電図、脳波などの実習の思い出のところです。
最後は1階です。M科の生化学系の実習室と私たちの研究室です。
ここの実習室では、1年生の検査入門実習、2年生の生化学実習、3年生の生化学検査学実習、私がかかわっている免疫検査学実習や遺伝子染色体検査学実習などが行われていました。
M科の皆さんの実習の思い出はいかがですか? 実習室よりのその隣の実習準備室にある棚(写真下)の方に思い出が深い方もあるのでは? そう、皆さんが実習の後のレポートを提出した場所です。
再提出の箱が出現したこともありましたね。
私の思い出は、実習自体にはいろいろありますが、毎年、免疫検査学実習で、何人かが遅くまで残っていて、私のところに質問に来て、何度か説明した時に、「あ、わかった!」と言ってくれた時の学生さんのその瞬間の顔です。本当に理解できた時の目の輝き、嬉しいものです。
実習室の隣の実習準備室(あの棚)のその横隣りが、私たちの研究室です。
この私の研究室にもいろいろな思い出がありますが、その中の心に残っている思い出の1つを紹介します。それは、私の研究室に1番出入りをした学生さんのことです。
(個人の話になりますので、当該学生さんには了解を得てここに書いています。)
その学生さんはというと、中国からの留学生さんで、現在M科の4期生(このブログが出るころには卒業しています。)。常盤が大学になってから初めての留学生さんでした。
彼女が1年生(つまり4年前の)の12月ごろ、「留学生のサポーター」を任命され、そしてこの研究室で個人的に彼女に会いました。
彼女は、日本に知り合いがいるわけではなくたった1人留学してきていました。日本語学校に行っていたとはいえ、日本語ですべての授業を受けて、テストも受けるというのには、大変なことでした。先々には実習、臨地実習、卒業研究、国家試験が待っています。
そこで、私の中国人の友人に会ってもらい、留学生の彼女に思う存分母国語で話してもらいました。その結果、「この子は、本当にうちの大学でやっていける?別の学部の方がいいのでは?」と心配していた私に、友人は「あの子は意志が強いのでやっていける。」でした。
友人の言葉通り、彼女はおとなしいが芯は強くまじめで努力家でした。私の研究室に来て、授業の勉強の仕方を、国家試験の勉強の仕方を聞き、図書館で勉強して、また研究室に来るなどが続きました。彼女との付き合いは勉強ばかりでなく、一緒に大学主催のボランティアに参加したり、お花見や国際フェスタの音楽会に行ったりも。3年時に臨地実習に行った彼女が、「臨地実習は日本の現場の医学が勉強でき有意義で、楽しい」と、私に話しに来てくれた時は嬉しかったです。大変な臨地実習に『楽しい』は嬉しかったです。
そして、4年生、卒業研究と卒業と国家試験。国家試験、これは難関です。
国家試験はこの2月25日に行われ無事受験しました。3月に卒業を迎えます。
彼女だけでなく、もちろん4年生のみんなも、国家試験勉強を頑張っていました。この2号館の実習室は実習する学生だけでなく、M3が臨地実習に出て実習がない毎年1月、2月は、4年生が朝早くから夜遅くまで国試の勉強を頑張っているのをたくさん見てきました。今年の結果は、このブログを書いている現時点ではわかりません(発表は3/30なので)が、きっと留学生の彼女を含め、みんなの努力は報われていることと思います。
頑張る学生さんたちを見てきた2号館もこの春、卒業です。
2号館、ここでの素敵な思い出をありがとうございました。そして、お疲れ様でした。