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健康保健センターニュース No.5 『熱中症heat strokeに注意しましょう!(注意喚起)』

熱中症heat strokeに注意しましょう!(注意喚起)

今年も蒸し暑い夏がやって来ました。この季節、最高気温が25℃を超えるようになると熱中症が発生しだし、31℃を超えるようになると多発します。特に屋内外を問わず大量に汗をかくようなスポーツをする方、教職員で年配の方、下宿などで一人住まいの方は特に熱中症に注意が必要です。熱中症は高温多湿な環境に、私たちの身体が適応できないことで生じるさまざまな症状の総称です。近年、熱中症で亡くなる方の多くは65歳以上の高齢者です。一方、子どもが熱中症で死亡するケースは少なくなってきてはいますが発生率は大人と比べて高いのが特徴です。

熱中症とは

熱中症は、運動や暑熱から起こる体の障害の総称です。熱射病や日射病と呼ばれているものは重症の熱中症のことです。医学的にいう熱射病は視床下部の体温を正常に保とうとする機能が低下して汗がとまってしまい、体温が40℃を超えてそのままでは死に至る極めて緊急性の高い状態を指します。このうち、太陽光がその一因となるものを日射病といいます。

原因

人間の体は、皮膚からの放熱や発汗によって体温を下げますが、外気が皮膚温以上の時や湿度が非常に高いと放熱や発汗ができにくくなり熱中症を引き起こします。基礎疾患のある高齢者や肥満、糖尿病の方、アルコール依存症の方は熱射病に陥りやすいとされています。

症状の現れ方

熱中症は、軽症の熱けいれん、中等症の熱疲労、重症の熱射病の3つに分類されます。 症状は、頭痛や疲労感を主とすることから俗に「暑気あたり」といわれる状態や、筋肉がこむら返りを起こす熱けいれん、脱水が主体で頭痛や吐き気をもよおす熱疲労、体温が40℃を超え、意識がなくなる最重症の熱射病までさまざまです。重症化すると視床下部の体温中枢や汗腺の機能が衰退して深部体温は40℃以上になり緊急性の高い状態となります。血液学的には消費性凝固障害(凝固因子が消費され、出血傾向が出現する)を認め、生存例でも高率に急性腎不全に陥ります。また、脱水のために血液が濃縮され、(動脈)血管内で血液が凝固し支配領域が壊死に陥ります。筋肉が壊死に陥るとミオグロビン血症となりこの場合も急性腎不全を起こします。

応急処置は?

基本は以下の3つです。

(1) 休息:体を冷却しやすいように衣服をゆるめ、足を高くして安静にします。

(2) 冷却:涼しい場所で休ませます。風通しのよい日陰、クーラーの効いた部屋に移動します。また氷嚢、氷塊などで腋の下、首のまわり、脚の付け根など(体表に近い動脈付近)を冷やし、血液循環を通じて体温を早く冷まします。

(3) 水分・電解質補給:意識がはっきりしていれば水分補給(スポーツドリンク)を行います。意識がないときはNGで、意識障害や吐き気がある場合は医療機関での輸液が必要ですので救急車を呼んで至急医療施設へ搬送します。

以下のような症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。

・めまいや顔のほてり:めまいや立ちくらみ、顔がほてるなどの症状が出たら熱中症のサインです。一時的に意識が遠のいたり腹痛などが出たりする場合もあります。

・筋肉痛や筋肉のけいれん:「こむら返り」と呼ばれる、手足の筋肉がつる症状が出る場合があります。筋肉がピクピクとけいれんしたり硬くなったりすることもあります。

・体のだるさや吐き気:体がぐったりし、力が入らない。吐き気や嘔吐、頭痛などを伴う場合もあります。

・汗のかきかたがおかしい:拭いてもふいても汗がでる、もしくはまったく汗をかいていないなど、汗のかきかたに異常がある場合には熱中症にかかっている危険性があります。

・体温が高い、皮膚の異常:体温が高くて皮膚を触るととても熱い、皮膚が赤く乾いているなどの症状も熱中症のサインです。

・呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない:声をかけても反応しなかったり、おかしな返答をしたりする。または、体がガクガクとひきつけを起こしたり真っ直ぐ歩けなかったりするなどの異常がある時は重度の熱中症にかかっています。すぐ医療機関を受診しましょう。

・水分補給ができない:呼びかけに反応しないなど、自分で上手に水分補給ができない場合は大変危険な状態です。この場合は、無理やり水分を口から飲ませることはやめましょう。すぐ医療機関を受診しましょう。重症度に合わせた、適切かつ迅速な処置が求められます。

表 熱中症の重症度似あわせた分類と症状・対処法


参考:環境省熱中症予防情報サイト  健康保健センターニュースNo.5