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健康保健センターニュース No.2 『ジカウイルス感染症』
2016年05月16日(月)
『ジカウイルス感染症』が四類感染症(直ちに届出)疾患へ
ジカウイルスとは
ジカウイルスは1947年にウガンダのジカ(Zika)森林公園のサル(黄熱に関する研究のためのおとりサル)から初めて分離されたウイルスです。日本脳炎ウイルスやデングウイルス、ウエストナイルウイルスと同様にフラビウイルス科フラビウイルス属に分類されます。蚊とヒトの間でウイルスは維持されています。ジカウイルスには2つの遺伝子型(アフリカ型とアジア型)があります。
ヒトスジシマカとネッタイシマカ(国立感染症研究所)
ジカウイルス(CDC)
ジカ熱とは
ジカ熱は、ジカウイルスを持った蚊(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカなど)に刺されることによって生じる感染症です。合併症としてギラン・バレー症候群(急性の末梢神経障害で四肢末端の知覚障害や運動麻痺を起こし、両手足に力が入らなくなり動かせなくなる疾患で重症の場合は呼吸筋麻痺が生じる)を発症することが報告されています。また近年では感染した妊婦から小頭症を持った新生児が多数産まれていることがブラジルから報告されています。平成28年2月より感染症法の4類感染症に指定され、保健所への届出が直ちに必要になりました。
症状
主として軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、解熱傾向時の斑丘疹、特徴ある結膜炎、疲労感、倦怠感などを呈します。これらの症状は軽く、通常2~7日続きます。疑い症例要件として
1.「発疹」または「発熱」を認める。
2.「関節痛」、「関節炎」または「結膜炎(非滲出性、充血性)」のうち少なくとも1つ以上の症状を認める。
3.流行地域からの出国後2~13日以内に上記症状を呈している。
があります。
潜伏期間
3~12日。日本脳炎ほどではありませんが不顕性感染率が高く約80%とされています。
感染経路
蚊媒介性(カ→ヒト)ですので基本的に直接的なヒト-ヒト感染はありませんが、稀に性行為による感染が指摘されています。このため女性では発症後4週間、男性では半年間性行為を控えたほうが良いとされています。母子の垂直感染については感染時期や機序がまだ明らかになっていません。
治療等
対症療法しかありませんが、通常は症状が軽く特別な治療を必要としません。
流行地域
アフリカ、痛南米、タイ・マレーシアなど東南アジアを含むアジア太平洋地域で発生がありますが、近年は中南米で流行が拡大しています。このため、妊婦の方の流行地域への渡航を控えたほうが良いとされています。止むを得ず渡航する場合は厳密な防蚊対策を講じることが必要です。
2016年までの発生地域(CDC)
予防対策
海外の流行地域に渡航される際は、蚊に刺されないように注意しましょう。長袖、長ズボンの着用が推奨されます。また蚊のDEETを含む忌避剤なども利用して下さい。
参考
NIID(国立感染症研究所)ホームページ
FORTH(厚生労働省検疫所)ホームページ
健康保健センターニュースNo.2