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新しい年を迎えるために　～この一年を振り返って～

学長　濵田　道夫

　2020年1月15日、日本で初めての新型コロナウイルス感染症の患者が確認されて以来、全国で感染が広がり、その対応にすべての人が追われた一年でした。

振り返れば本学は、2月28日に第1回新型コロナウイルス対策会議を開き、感染対策ガイドラインの策定など全学的に対応してきました。残念ながら学位記授与式は中止を余儀なくされ、令和元年度卒業のみなさまは、大切な機会を失い、心の残ることとなりました。

また入学式は新入生のみにより挙行することができましたが、4月7日、政府の緊急事態宣言に伴い、大学は休業を求められ、在宅学習と遠隔授業を行うこととなりました。6月8日からは登校と感染対策を取りながら面接(対面)授業も導入いたしました。教員も急激な対応のなかでマニュアルを整備し努力をしてきましたが、この間、学生の皆さんは、新しい仲間と会うことも出来ない期間が長く、また慣れない自宅学習や学内での実習実施など厳しい制約を伴う学生生活を余儀なくされました。

全国的に大学の登校が行われないことへの問題が報道される中で、本学は比較的速やかに面接（対面)授業を行うことができたのは、学生の皆さんと教員の協力があったからと考えています。教室やハローホール(食堂)、キャンパスでは、皆さんはマスクを着用され、使用後のテーブルを清拭するなど、専門職を目指す本学学生らしい行動をされています。同様に普段の生活のなかでも、予防行動を着実に実行されているのだと推察いたします。その一つひとつが皆様と本学の感染防止につながっているものと敬意を表します。

しかし11月に入り、第3波が日本全体を覆い、今なお終息の様相を見せず、クラスターが頻発するなど、事態は一層厳しい状況になっています。年末年始にかけ、会合の機会が増え、故郷への帰省もあると思います。同時に専門職を目指される皆さんにとって最大の課題、国家試験のための集中的な学習の時期が始まっています。また本学では新しい入学生を迎えるための一般入試や全国大学共通テストが行われ、徹底した感染防止対策が求められ教職員一体となって取り組んでまいります。

皆さんとともに新しい年を迎えるため、更に徹底した感染防止、自粛行動、本学学生として節度ある生活を強くお願いしたいと思います。

〇　感染は家族、親しい友人との会話・会合、食事の場で広がっています。普段の確実なマスク着用、食事の際のこまめなマスク着脱、手指(とりわけ指先)の手洗い消毒、定期的な換気と湿度管理を徹底してください。

〇　感染のリスクは、私のこと、あなたのことです。陽性と診断、疑いがあると言われたとき、隔離は確実に行わなければなりませんが、友人の気持ちに寄り添う想像力が問われます。お互いに声掛け、メッセージを忘れないようにしましょう。