ときわブログTokiwa Blog

教員ブログ

賑やかな木曜日

 口腔保健学科の教員の研究室がある緑風館は、木曜日になると毎週のように賑やかになります。その理由は、口腔保健学科を巣立っていった卒業生たちが帰ってくるからです。歯科医院は木曜日が休診の施設が多いため、友だちと誘い合い、または一人で、おみやげのお菓子を手に来てくれます。

 早いもので口腔保健学科も約180名の卒業生が巣立っていきました。そして卒業後は歯科衛生士としてそれぞれの職場で元気に活躍をしてくれています。ただ時々、不安になったり、しんどくなった時、この緑風館に帰ってきてくれるのです。溜まった仕事を片付けようとパソコンに向かったとたん、「せんせーい!」とドアを開けて、ちょっとお姉さんになった顔を覗かせてくれると、仕事もそっちのけでお茶タイムが始まります。先輩にしかられもう自信がなくなったと暗い顔のAさん、患者さんのケアをすることが楽しいとBさん、後輩指導に行き詰まり人を指導することの難しさを知ったCさん。ひとしきり今の職場のストレスを発散すると、あとは学生時代の話や同級生の近況などに花が咲きます。不思議なもので顔を見ていると、何年も前のエピソードが次々と思い出されます。「先生覚えてくれてたんや」と喜ぶ顔を見ていると時間が経つのも忘れてしまいます。

 1時間・・・長いときには3時間、古巣に戻ってきたように落ち着くのでしょうか、長い時間帰ろうともせず座っています。来たときには暗い顔だったAさんも少し元気を取り戻し、「もう少し頑張ってみる」と言って帰っていきます。そのたびに、彼女たちにとって「先生」は在学中の3年間だけでなくこれからもずーと「先生」なんだと改めて感じます。「先生」として、また「歯科衛生士」としての後ろ姿を見られていることをいついかなる時も忘れずにいたいと思います。

 来週は誰がどんな顔をして来てくれるか(仕事は滞りますが・・・)、卒業生たちの成長した姿に会えることを心待ちにしています。

                          口腔保健学科教員