保健科学部 医療検査学科Medical Technology

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卒業生が仕事を紹介しますPart8 病理検査をご紹介します

 

みなさんは臨床検査技師という職業をご存じですか?患者さんが病院に来院されると、どのような病気が隠れているか検査する必要があります。そこで診断に必要な検査を行い、正確な検査データを医師に報告するのが臨床検査技師の役割です。大阪医科大学附属病院では検査分野ごとに部署が分かれており、専門性の高い検査技師が日々検査を行っています。血液検査室や生化学検査室では、血液から貧血の程度・肝機能・コレステロール値などを測定しています。また生理機能検査室では、心電図や超音波検査を行い、臓器の機能や形態を調べることができます。
 現在、私は病理検査室で働いています。2016年に放送された、ドラマ「フラジャイル」をご覧になった方は想像しやすいかもしれません。病理検査は大きく分けて組織検査と細胞検査があります。組織検査は、臓器を薄く切って作製した顕微鏡標本を用いて、良性悪性の鑑別・癌の種類などを診断します。顕微鏡標本1枚で、診断・治療方針が決まることがあるので、臨床検査技師は質の良い標本を作製する技術が求められます。
 次に細胞検査は、臓器を構成している1つ1つの細胞を顕微鏡で観察し、癌細胞の有無や組織型を診断します。子宮頸部、尿、喀痰など比較的簡単に採取される検体から癌細胞を見つけ出すことができるため、検診にも応用されています。ここでは細胞検査士という資格保持者が癌細胞を見つけ出し、細胞診専門医と共に報告書を書きます。細胞診専門医より先に癌細胞を見つけ出す必要があるため、常に責任の大きさを感じながら検査を行っています。
 臨床検査技師は患者さんと直に接する機会が少ないですが、病気の早期発見や診断に繋がる重要な役割を担うやりがいのある職業です。

大阪医科大学附属病院
臨床検査技師・細胞検査士
能瀬 衣沙子
2014年 卒業

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