保健科学部 医療検査学科Medical Technology

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卒業生が仕事を紹介します Part 7 微生物検査をご紹介します

 臨床検査技師とは、高い専門性を有する医療技術者であり、主に検体検査と生理機能検査に分けられます。現在私は検体検査部門の微生物検査に携わっています。

 微生物検査は、医師や看護師が採取した検体をスライドガラスに塗抹・染色した標本を観察することから始めます。検体には喀痰・尿など常在菌が混入しやすいものから、血液、髄液など無菌材料もあり、その染色結果から原因菌を推定します。同時にその検体を培養検査に進め、翌日以降発育する菌種を推定しながら、必要な培地を選択し条件を変え培養することで原因菌を確定します。この際、発育した菌が「原因菌」なのか、存在しても悪さをしない「常在菌・保菌」なのか判断することも微生物検査技師として重要な仕事です。患者さんの症状や採取された検体を観察しながら原因菌を確定し、薬剤感受性検査で適切な抗菌薬を決定します。

 近年、薬が効かない多剤耐性菌が話題ですが、患者さんの命を奪う微生物に対して適切な抗菌薬を医師に報告することが重要です。また、当院では手術室から迅速微生物検査の依頼もあり、手術中に原因菌を推定し報告することも行っています。染色像から菌種を推定する技術が必要とされ、その結果で治療する重要な仕事です。

 治療に直結する微生物検査は責任が重い一方、非常に奥深くやりがいのある仕事と実感します。大学で学んだことが活かされるのはもちろん、国家試験に合格し、就職した後も更なる資格取得、学会発表や研修会参加など自己研鑽が必要とされます。患者さんへの良質な医療の提供に繋げるため、これからも努力していきたいと思います。

臨床検査技師・微生物学二級臨床検査士
社会医療法人 三栄会 ツカザキ病院
久米 賢
医療検査学科2012年卒業

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