保健科学部 医療検査学科Medical Technology

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卒業生が仕事を紹介します Part 5 輸血検査をご紹介します

 私は細胞検査士として病理検査に携わっていますが、臨床検査技師として輸血検査も行うので、今回は輸血検査業務について紹介します。輸血は血液成分を体内に入れる臓器輸血の一種で、貧血などが起こった時に行い、臨床症状の改善を目的とします。輸血には同種血輸血と自己血輸血があります。同種血輸血は献血者から採血した血液から作られた血液製剤を使用します。一方、自己血輸血は患者さん本人から採血した血液を使用するため、感染症や副作用を防ぐことができます。

 病院で主に行われるのは同種血輸血で、輸血するためにまず、患者さんの血液型を調べます。この時、血液型検査が初めての患者さんの場合、採血間違いが無いことを確認するため別の時点で2回採血してもらいます。患者さんの血液型が分かったら、使用する血液製剤を血液センターに発注し、赤血球製剤の場合、不規則抗体検査や交差適合試験という検査をして、患者さんにこの製剤を輸血しても大丈夫か調べます。また、輸血による感染症が疑われた時のために検査後の残検体と輸血製剤のチューブの保存をします。さらに、輸血によってB型肝炎、C型肝炎、エイズなどウイルスに感染していないか調べるために、輸血から2~3ヶ月後に検査をします。

 採血された血液は血液センターで検査が行われていますが、感染症のリスクがないわけではなく、副作用が起こる可能性もあります。もし不適合血を輸血してしまうと、重篤な副作用が起こる可能性があります。また、輸血検査は緊急で行うことも多いので、正確さと速さ、臨機応変に対応することが求められ、責任の大きい仕事です。その分日々学ぶことも多く、やりがいもあると思っています。

明石市立市民病院
臨床検査技師 細胞検査士
星加 彩乃
医療検査学科2015年卒業

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