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健康保健センターニュースNo.6『インフルエンザに備えましょう!』

健康保健センターニュース No.6『インフルエンザに備えましょう!』


はじめに
インフルエンザは例年12月~3月にかけて学童・生徒を中心に集団流行します。昨年は本学でも5月初旬までB型インフルエンザの発生が見られました。インフルエンザは12月頃から本格的な流行が始まることが多い感染症です。学業や就職への影響を防ぐためにも、国家試験に備えるためにも、予防接種(ワクチン)は有効です。効果的なインフルエンザワクチン接種時期としては、遅くとも12月までには終わるように計画を立てることをおすすめします。ワクチン接種してもすぐに予防効果は現れません。一般には2~4週間ほどかかりますので流行を起こす前の11月中の接種が理想です。効果は4ヶ月間持続します。

インフルエンザの症状は?
インフルエンザは通常の風邪と違い、38度以上の熱とともに頭痛、関節痛、筋肉痛などの痛みが急激に発症します。風邪とインフルエンザに共通の症状は、咳と喉の痛み、そして発熱です。インフルエンザ特有の症状は、発熱するとすぐに38℃を超える体温の上昇と、頭痛、吐き気、関節痛、筋肉痛など全身の症状が現れることです。朝から38℃以上の発熱があった場合はインフルエンザの疑いが強いので、早目に医療機関への受診を考慮しましょう。日本では、毎年約1,000万人が罹患し、これが原因となって肺炎などで約1万人が亡くなっていると推計されています。

インフルエンザの型について
季節性インフルエンザは大きく分けてA型、B型、C型の3種類があり、流行を繰り返す度に変異株が発生しています。
A型インフルエンザ:
38℃以上の高熱、悪寒、関節・筋肉痛などが特徴です。さらに多くの変異株が存在し、増殖力が速く、しかも感染力が強いので流行しやすいのが特徴です。
B型インフルエンザ:
A型に次いで流行しやすいウイルスです。A型のような突然変異をおこさないため、世界的な大流行を起こすことはありませんが、症状は重く、数年おきに流行して猛威をふるいます。
C型インフルエンザ:
感染しても風邪程度の症状で、多くの人が免疫を持っています。

インフルエンザの予防
インフルエンザの潜伏期間は1~2日で、発症する1日前から発症後5~7日頃まで周囲の人にうつしてしまう可能性があります。特に発症日から3日間ほどが最も感染力が高いと考えられています。さらに、熱が下がってもインフルエンザの感染力は残っていて、他の人に感染させる可能性があります(個人差はありますが、熱が下がって2日間は感染させる可能性があります)。
インフルエンザは咳、くしゃみ、つばなどのしぶきと共に放出されたウイルスを、鼻腔から吸入することによって感染します。インフルエンザを拡散させないためにも、患者・周囲の人が共にサージカルマスクを着用することが効果的です。
また、飛び散ったインフルエンザウイルスが付着したものを直接手で触ると、鼻や口、目、肌などを介してインフルエンザに感染することがあります。手洗いが感染を防ぐうえで有効なのはそのためです。また、このウイルスはエンベロープと言われる脂質二重膜に被われているため、石鹸による手洗いや手指のアルコール消毒も有効です。
空気が乾燥すると、喉の粘膜の防御機能が低くなるため、インフルエンザにかかりやすくなります。帰宅後などのうがいや、乾燥しやすい冬場の室内では、加湿器などを使って50~60%の湿度に保つことも効果的です。
厚生労働省、自治体、医師会、国立感染症研究所などの発信する最新の情報(発生状況、予防、治療など)を収集しましょう。

季節性インフルエンザワクチンについて
季節性のインフルエンザワクチンは2年前からインフルエンザA/H1N1亜型(インフルエンザ(H1N1)2009と同じ亜型)とA/H3N2亜型(A香港型)、B型では2タイプの4種類が含まれたワクチンとなります。13歳以上ですと通常は1回ですが、1~4週間空けて2回接種することも可能です。費用は各自治体や医療機関にもよりますが1回3500円程度かかります(各自前もって医療機関に確認して下さい)。
2016/17シーズンのインフルエンザワクチンには、以下の4種類のウイルス株が含まれています。
• A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
• A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
• B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
• B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)
※インフルエンザウイルス株の名前は、
ウイルスの型/分離された地域/ウイルス株の番号/分離された年(A型ウイルスの亜型)
と読みます。

インフルエンザワクチンの効果
有効性は60%程度といわれています。ただし、ワクチン株と流行株が一致しなかったときの有効性はこれよりも低くなります。この結果は健康な成人で調べられたもので、型別にみるとA型の有効性はおよそ80%、B型は一般的にA型より低くおよそ50%と報告されています。一方で、子供の場合、A型では予防効果があるのは30~50%程度で、B型や1歳未満ではさらに効果が低くなります。
これらの数値を見ると、インフルエンザワクチンの効果はそれほど高くないと思われるかもしれません。ただし、ワクチンの役割は発病を予防するだけではありません。インフルエンザワクチンを接種しておくことで、感染・発症した場合にも脳炎や重症肺炎などの重症化を防ぐことが主な目的です。また、妊娠中の母親が接種すると、生まれてくる赤ちゃんにも予防効果があります。

インフルエンザ予防接種の副反応
季節性インフルエンザで比較的多くみられる副反応は、局所的な反応と全身の反応に大別されます。局所的な反応は、接種を受けた人の10~20%に起こりますが、通常2~3日でおさまります。
• 赤み(発赤)
• はれ(腫脹)
• 痛み(疼痛)   など
また、全身の反応は接種を受けた人の5~10%に起こり、通常は2~3日でなくなります。
• 発熱
• 頭痛
• 寒気(悪寒)
• だるさ(倦怠感)   など
その他、ごくまれに以下のような重い副作用の報告があります。
• アナフィラキシーショック(呼吸困難、紅潮、蕁麻疹などのアレルギー症状)
• ギラン・バレー症候群
• 急性脳症
• 急性散在性脳脊髄炎
• けいれん
• 肝機能障害
• 喘息発作
• 血小板減少性紫斑病
異常があった場合は速やかに摂取した医療機関に連絡することをおすすめします。

まとめ
毎年大流行し、たくさんの人を悩ませるインフルエンザ。例年、流行が収まるのは春になってからです。それまでは油断をせず、マスクや手洗い・うがいなどでしっかり予防を行ってください。もちろん、インフルエンザワクチン接種も。よろしくお願いいたします。

【参考】
国立感染症研究所 感染症情報センター
http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html
全国インフルエンザ流行レベルマップ(国立感染症研究所)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/flu-map.html