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歯科の二大疾患は「歯周病(歯周疾患)」と「むし歯(う蝕)」。中でも、歯周病は、成人の約80%がかかっているといわれ、糖尿病や心筋梗塞などの全身疾患にも影響を及ぼす恐れがあることが最近の研究でわかってきました。また、妊娠中の女性が歯周病になると、低体重児出産や早産を引き起こすこともあるという侮れない病気なのです。
口腔のケアが不十分であると歯垢(プラーク)が歯に付着し、歯周病の進行を助長してしまうことになります。また、歯根から歯肉(歯茎)がはがれた状態である歯周ポケット(歯周溝)で細菌が増え、病原性が強まることで歯肉溝が深くなり、最終的には歯が抜けるような状態になります。
そこで、この講義では歯科衛生士として重要な仕事の一つである、口腔内を健全な状態に保ち、歯周病を予防していくための知識と技術を身につけていきます。

1年次からの見学学習で実践力を養うために、充実した設備を整えています。シミュレーションシステムを取り入れた実習室(シミュレーションラボ)では、マネキンを模擬患者として施術を習得します。歯科衛生士自身が口の中が見やすいことは大切ですが、患者さんが気持ちよく診療を受けることができるという心配りを忘れてはなりません。実習室のマネキンは、患者さんに負担をかけず、さらに学生がバランスのとれた姿勢で行えるようにセッティングすることができるので、正確な位置を体験しながら覚え、学ぶことができます。
また、相互実習で使う臨床実習室(デンタルハイジンプレクリニック)には、シミュレーションラボで学んだことが再現できる診療台が設置されており、現場(臨床)さながらの設備を使うことができます。それぞれの実習室には各席にモニターと、講師の席には小型カメラを設置。講師が作業する様子やインスツルメントの動きを撮影し、その映像を各自のモニターで確認しながら授業を進めることができるようになっています。
実習に先立って、予防処置に使用するインスツルメントの持ち方や動かし方を確実に身につけておくことが重要です。1ミリ単位の細かい動作をすることが多いため、間違った持ち方や力のかけ方をしていると、刃先のコントロールが悪く、歯や歯肉を傷つけてしまったり、患者さんに無理な姿勢をさせてしまうことになります。それを避けるために、指とインスツルメントが触れる部分をわかりやすくするように番号を付けて表わし、正しい持ち方を覚えます。さらに力のかけ方を頭で覚えるのではなく繰り返し練習することで筋肉に記憶させていきます。
実習は、2人一組でマネキンを使って基礎的な技術を学び、臨床実習室で学生同士が術者・患者・アシスタントになってお互いに作業を行います。歯面の研磨などから始めて、歯垢や歯石の除去をしたり、歯周ポケットの深さを測ったり。慣れてくるに従って目に見えない歯根の部分の歯垢や歯石を除去するという指の感覚で行う繊細で高度な作業などを、徐々にスキルアップしていきます。一つずつの技術を習得していく段階で、学生同士でシミュレーションを何度も繰り返し経験することで、臨床での対応ができるようになります。また、早い段階から相互実習を行うことで、患者さんの立場から発想できる技術以外の部分を体験し、患者さんの気持ちを考える力を養います。
実習では、ペアやグループで作業をしていきますが、学生同士が常にお互いを評価しあうことが大切です。例えば、「口の中が見えにくい」「右肩があがって疲れる」といった場合にも、患者さんの頭部の向きや高さ、インスツルメントの持ち方・動かし方を理論的に学んでいるため、うまくいかない理由が、主観的・客観的にわかるようになります。器用・不器用の問題ではなく「何ができないのか」「なぜできないのか」を自ら考えることで知識と技術を高めていくことができるのです。 宇宙飛行士はトレーニングを積み、宇宙に出たときには自然と行動ができるようになるまでシミュレーションを重ねるそうです。このように、学んだことがそのまま臨地実習や臨床現場につながり、スムーズに適応できるようにするため、繰り返し一緒に練習をしていきましょう。







