医療・保健と幼児教育の視点から人を支えるスペシャリストを育てる

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保健科学部 看護学科

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ピックアップカリキュラム

いのちと共生

共生する様々なものを通して いのちの実相を理解し看護現場に生かしていく

人間は、健康的な生活をおくるために、人間を含めた生き物や体内に存在する微生物など、様々なものと共生しています。この講義では、8名の先生によるオムニバス形式で、「いのちと共生する」ということを、いろんな方向から理解していきます。そして、いのちの理解を深めるとともに、全人ケアやチーム医療などについても学んでいきます。

私たち人間は一人で生きているのではなく、異なる性質を持つ個が集まって助け合うことで社会を作り出しています。つまり、自分以外の人間はもちろん、ほかの様々な生き物や地球上に存在するあらゆるものと「共生」して始めて、健康的な生活を送ることができるのです。 医療に携わる者としては、この「共生」の原理を、生物体としての「命」と、感情のある人間としての「いのち」の2つの視点から理解することが大切です。そこで、この講義では細胞や細菌、ウイルスレベルの共生にはじまり、人間(個体)、社会(共同体)、さらには地球レベルでの共生を学んでいきます。そして、「いのちと共生する」ということについて、身体と心の関係にいたるまで、幅広く理解していきます。 講義は、看護学科と医療検査学科の教員に学長を加えた8名の先生が、それぞれの専門分野に沿ったテーマを基にオムニバス形式で進んでいきます。例えば学長からは、自然界で自己保存や子孫保存のために繰り広げられる競争や提携について学びます。また、医療検査学科の先生からは、感染症から私たちを救ってくれる免疫系のバランスについてや、腸内細菌叢の共存について、そのほかの先生方も、精神的ストレスとの共生と分子レベルのストレス解消法になどついての講義があり、バラエティに富んだ内容になっています。

人間関係の原点である母子関係が与える影響を考える

例えば、子ども病院で長年働いてこられた江上先生が担当するテーマは「母子の独立性と共生」。講義の中では乳幼児期の母子関係や人間関係が、成長してからどのように影響するのかなど、いろいろな事例を聞いたり、自分の生い立ちの中での人間関係を振り返ったり、ディスカッションしたりしながら考えていきます。 まず、異なる物質が体内に入ると何らかの反応を起こすはずの人間が、母胎と胎児との組み合わせに限っては、免疫反応を示さずに共生できるようになっているということは、生物体である人間の「命と共生」の原点と言っても過言ではありません。

さらに、もうひとつの視点である「いのちと共生」では、人間が子どもから大人へと成長していく中で、集団生活や社会生活を営むための人間関係が大切になってきます。母子関係は最初に築く信頼関係であり、あらゆる人間関係の基礎にもなるのです。ところが、一番大切な乳幼児期に母親から十分な愛情を与えられないでいると、母子の絆を十分に築くことができません。その上、現代の社会では、大家族や何人ものきょうだいと共に暮らしたり、地域の中で年齢差のある友人と遊んだりすることが少なくなっているため、幼児期に他人との関わり方や関係性の強弱などを、身をもって学ぶことがむずかしくなっています。そういった中で、これからみなさんがどのように人と関わって、人間関係を形成していけばいいのかを模索していく授業でもあります。 看護の現場に携わるとなれば、様々な個性をもった人や、あらゆる健康状態の人と関わっていくことになります。そこで、この授業を通して自分と合わない人でも排除するのではなく、全ての人を受け入れ、助け合いながら関係を築いていこうという姿勢も身につけてほしいと思っています。

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基本看護技術Ⅲ (フィジカルアセスメント・総合演習)

五感を使ってあらゆる角度から相手を観察し、理解するための看護技術の基礎を身に付ける

患者の健康状態を知るために身体を観察する技術。これがフィジカルアセスメントです。この講義の終盤には、今までに習得した技術を実践で身に付けるための総合演習が組み込まれています。本物さながらの模擬病室を使い、模擬患者にも協力していただき、実際に援助を行いながら学んでいきます。

昨今の医療現場では、看護師自らが患者の健康情報を収集し、看護の側面から判断をしていくことが必要になってきています。そこで、1年次後期から2年次前期にかけて、看護の対象となる人々の健康的な生活をサポートするための基本となる看護技術や知識を習得していきます。 「基本看護技術Ⅲ」では体温・脈拍・血圧などの測定をはじめ、視診・触診・打診・聴診の技術を用いて患者の健康状態を把握するフィジカルアセスメントを学びます。患者さんが「大丈夫です」と言われたからといって、本当にその言葉通りとは限りません。中には体調が悪いのに我慢している方や、症状を自覚していない方もおられるからです。患者さんがよりよい生活を送られるように、フィジカルアセスメントを援助に生かしていくのです。そのためには、たとえば血圧を測定する場合に、ただ測定方法を知っているだけでは意味がありません。血圧の値から何がわかるのか、生活の中でどんな変化を示すのかなど、人体のしくみや働き、病態学など、既習の知識を活用する必要があります

今まで学んだことの総決算総合演習で考えながら援助をする

演習では、3~4名のグループに分かれ、学生同士で患者役と看護師役を演じたり、時には教員や特別な訓練を受けた一般の方々を模擬患者として、現場で起こりうる場面を設定し、実際の援助を学ぶ予定です。複数の教員による、細かな指導も魅力です。 「基本看護技術Ⅲ」の最後にある総合演習では、基本看護技術Ⅰ~Ⅲで学んだ内容を組み合わせ、最後のまとめとして実践的に学びます。たとえば、体調が悪くて入浴できない患者さんを想定します。まず、どういう援助が考えられるのかをグループで話し合います。学生は今までの学習で身に付けたあらゆる知識や技術を使って、患者の状態を観察して、情報を収集します。そして、「身体を拭く」と決まったら、寝たまま拭くのがいいのか、座って拭くのがいいのか、温かいタオルを使ったほうがいいのかなど、患者にあった方法を探し、工夫し、必要なものを準備して、計画を立てて、実際に説明しながら援助を行います。そして、患者さんの反応を観察し、お互いの技術や援助の評価をしていきます。 演習室には、実習病院である三田市民病院の病室を再現した「模擬病室」があります。より現場に近い状態で演習を行うことで、この講義が終わる頃に始まる臨地実習で、スムーズに対応できる力を養っておくのです。

看護の軸となる重要な技術患者の心を理解して実践しよう

「基本看護技術」で得る技術や知識は、臨床の場面そのもの。お年寄りから小さな子どもまで、あらゆる年代の人々やあらゆる健康状態にある人々への援助、また入院施設での看護はもとより、在宅看護などの場面でも必要となる基本です。3年次、4年次に専門領域の勉強を進めていくときに、何度となく立ち返って再確認することになる、カリキュラムの軸といえるでしょう。 実際の臨床の場面では様々な状況に出会います。しかし、看護する側と受ける側の関係を基本に、相手を尊重し、患者さんの思いを理解する姿勢を忘れてはなりません。また、食べることや眠ることなど、健康であれば当たり前に過ごしていることを意識してみてください。看護する側も同じ人間であることに立ち返ることが大切なことだと思います。

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